新臨床研修医制度の目標として、「将来進むべき専門性にかかわらず一般に良く遭遇する疾患に対するプライマリケア能力の習得」が挙げられます。救急医療現場での研修が必修化され、多くの救急患者の診療を担う市中の大病院に初期研修医の人気が集まりました。しかし、多くの症例を診ても、病態へのアプローチやメカニズムの解明が不十分では良い医師は育ちません。「すべての症例は新しい発見に満ちている」と研修医が思えるような良質な診療基盤が必要です。良質な医療は我々の永遠の目標です。 実際に充実した研修を行うためには、提供された均一のプログラムでは不十分で、病院の実情に応じた創意工夫が必要です。当院では「研修医の、研修医による、研修医のためのローテーション・マニュアル」が作成され、研修医の声を反映したローテート期間・人数調整などの細かなプログラム改善活動を行うことにより、毎年充実度を高めております。 初期研修の評価として、終了後の進路が挙げられます。その進路を、表①に示します。第一日赤42%、出身大学22%、他の一般病院20%、他大学15%であり、多くの方々に後期研修の場として選択していただいております。また、志望診療科を表②に示します。多い順に、内科、外科、整形外科、麻酔科、産婦人科、救急、などであり、偏ることなく適切に志望が選択されていると考えます。 現在、当院には195名の医師が勤務し、初期研修医が40名、後期研修医が34名を占めます。多くの研修医を抱え活性化された当院は、医療の未来に大きな責任を担っております。しかし、当院だけで医療や教育が完結できる訳はなく、役割分担や連携が益々重要になると考えます。「より良い医師を育て、時代に応じたより良い医療を提供できるようありたい」と願っております。