診療科・部門のご紹介

診療科・医師のご紹介

外科

より詳しい治療方法の説明

食道癌治療

食道がんの治療には、内視鏡的粘膜切除術、手術、放射線療法、化学療法(抗癌剤治療)があります。
どの治療を行うかは、がんの進行状態、患者さまの全身状態にて決定されますが、患者さまの希望も取り入れ、個々の症例に最も適した治療を選択するようにしております。時には集学的治療といって複数の方法を組み合わせた治療を行います。
食道がんの手術といえば頚部(くび)、胸部、腹部を大きく開けて行う(開胸開腹手術)大手術ですが、当施設では進行度や患者さまの状態によっては胸を開けずに行う手術(非開胸・鏡視下経裂孔アプローチによる食道切除術)や、腹部を腹腔鏡で行う手術を選択するようにして低浸襲化を進めております()。

具体的には以下のように治療を行っています。

  1. 早期のがんは内視鏡的粘膜切除術を行います。
  2. 早期のがんでも範囲が広く内視鏡では切除しきれないものは、非開胸・鏡視下経裂孔アプローチによる食道切除術を行います。従来行われていた食道抜去術とは違い、リンパ節郭清も鏡視下に行う手術です。
  3. 進行がんは手術の精度を上げるために術前に化学療法を行った上で、開胸開腹による食道切除+リンパ節郭清術を行います。
  4. 上記2)3)に関しては、手術療法以外に放射線療法や化学療法、その両方を組み合わせた化学放射線療法があります。患者さまの全身状態やご希望を考慮し、十分に相談した上で治療方針を決定します。
  5. 切除不可能な癌に対しては放射線療法や化学療法で治療を行います。

食道がんは他の消化器がんと比べると早期にリンパ節転移を来します。お近くの医院で精査を勧められた場合は、出来るだけ早く検査をお受け下さい。

胃癌治療

胃がんの治療はその進行度(ステージ)により大きく治療法が異なります。当院の胃がんに対する切除症例数はESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を含めると年間250例を越えており、腹腔鏡手術の割合も年々増加傾向にあります(図1)。過去のデータに基づき患者さまへの十分な説明を行った上で、進行度に応じた最適な治療法を選択しています。

  1. ステージIの胃がんに対しては、術後の疼痛軽減や機能温存を重視し、腹腔鏡手術を含めた低侵襲手術を行なっています(図2)。胃全摘術、幽門側胃切除術の他、部位によっては噴門側胃切除術、幽門保存胃切除術が選択されます。腹腔鏡手術は高度な技能を必要とするため、日本内視鏡外科学会技術認定医が手術を担当します。
  2. ステージII、IIIの進行胃がんに対しては根治性を高めるべく系統的なリンパ節郭清を重視した開腹による手術を行なっています。また必要に応じて術前・術後の化学療法を行ない、効果を上げています。
  3. ステージIVの切除不能高度進行胃がんに対しては、基本的に化学療法を行います。症状緩和を目的とした手術(単純胃切除術、胃空腸バイパス術など)を行う場合もあります。

クリニカルパスという当院で作成した胃切除治療計画に沿って入院期間を送っていただきます。術2日前に入院していただき、術後は10〜12日(胃全摘術では12〜14日)で退院となります。退院前にはリハビリ専門スタッフや管理栄養士、薬剤師によるカンファレンスを行い、退院後の質の高い生活に向けてサポートを行っていきます。

(補)胃粘膜下腫瘍

胃GIST(間葉系腫瘍)や大きさ2cmを超える確定診断のついていない胃粘膜下腫瘍などに対しても侵襲を最小限に抑えた腹腔鏡手術を行っています。最近では胃の切除範囲を最小限にする腹腔鏡・内視鏡合同による腹腔鏡下胃局所切除(LECS)に取り組んでいます(図3)。腫瘍の場所によっては傷が1箇所ですむ場合もあります(単孔式LECS)。

大腸癌治療

大腸癌は近年食生活の欧米化など生活習慣の変化に伴い、日本人にも増加傾向を示しており、当院においても症例数は増加しています。当科では従来の開腹術に加え、腹腔鏡下手術を積極的に取り入れています。癌の根治性と臓器の機能温存を両立しながら、現在では進行癌に対しても腹腔鏡下手術を応用するようになりました。腹腔鏡下大腸癌手術は開腹手術に比べ傷の痛みが少なく整容性に優れており、根治性や安全性の点で劣らないことから、現在では標準治療となりつつあります。当科では臍に小開腹創をおくことで傷をより目立たなくしたり、埋没縫合で抜糸せずにすむよう工夫をしています。さらにクリニカルパスとの組み合わせにより、根治性を損なわず治療の標準化・合理化を進め、かつ術後の回復を早めることで入院期間の短縮や高いQOLを得ています。切除不能進行・再発癌に対しては積極的に化学療法を行い延命に努力するとともに、終末期には専門チームとの連携による緩和ケア治療にも取り組んでいます。

5年生存率

肝胆膵外科領域

消化器癌のなかでも、この領域は検査、診断、治療において専門的技術・知識が重要な疾患です。初診時からこの領域を専門とする消化器内科医、放射線科医、消化器外科医が密にカンファレンスを行い、治療方針を検討しております。

1)肝臓、胆管手術
2015年の手術件数は 肝切除例は36例で、うち肝細胞癌 18例、胆管細胞癌 3例、転移性肝癌 9例、肝門部胆管癌 2例、胆嚢癌 3例、肝嚢胞 1例でした。

肝細胞癌

肝臓癌は肝細胞から生じる“肝細胞癌”と胆管から生じる“胆管細胞癌”と他臓器から転移してくる“転移性肝癌”があります。
肝細胞癌は、C型、B型肝炎ウイルスに感染している人や、アルコール性肝炎、脂肪性肝炎など障害された人の肝臓から発生してくることが多いです。こういったリスクの高い人は、早期に発見して肝細胞癌の治療ができるように、定期的に検査を受けることが必要です。アルコールのとり過ぎは肝細胞癌の発生の可能性を高めますので、注意が必要です。
肝細胞癌は肝硬変が基礎疾患にあるため、厳重な術後管理が必要とされます。診断・治療に関して、消化器内科、放射線画像診断部、病理診断部と術前、術後にカンファレンスを行い、慎重に手術適応を判断しながら積極的に肝切除術を行っています。

・手術療法

手術に関しては、肝細胞癌治療アルゴリズム(図1)を参考にしながら、術前に、腫瘍の局在、肝予備力、予想残肝容積を厳密に3−D画像を用いて検討しています(図2)。

(図1)肝癌治療アルゴリズム (肝癌診療ガイドライン2013年版より引用)

(図2)術前画像シミュレーション

手術療法以外にも肝動脈性塞栓療法(TAE)、経皮的エタノール療法(PEIT)、経皮的ラジオ波焼灼法(RFA)などの治療法もあり、これらは消化器内科(肝臓グループ)が担当しています。その中でも、内科的治療では根治的治療が困難な高度進行肝癌症例も積極的に切除を行っています。

・腹腔鏡下肝切除術

2012年より腹腔鏡下肝切除が保険承認されました。当院でも、患者さんの負担の軽減、術後の痛みの軽減、早期回復を目的に肝切除にも腹腔鏡の技術を導入し、約1-2cmの傷数カ所で手術を行っています(図3)。適応は肝表面の比較的小さな腫瘍に対する肝部分切除と外側区域切除に限定しています。しかし、2016年4月より肝亜区域切除から肝区域切除、肝葉切除に保険適応が拡大されましたので、今後、安全性をしっかりと確保しつつ、手術適応を拡大して行くことにしています。

腹腔鏡下肝切除術後の創部

腹腔鏡肝切除術の術中写真

(図3)

転移性肝癌

転移性肝癌は大腸癌の肝転移が主です。大腸癌肝転移に対しては、まず第一に肝切除が最も長期生存が期待できる治療法です。複数個の転移があっても、術前に画像でシミュレーションし、切除可能と判断すれば、術中エコー検査を用いて完全切除を行っております。
近年の化学療法の進歩が著しいので、進行大腸癌において、全身化学療法で良好な成績が出ております。よって、発見時すでに多発性に肝転移が認められる症例は全身化学療法を行っています。そのなかでも良好な治療効果がでてきて、切除可能となれば、積極的に肝切除を試みております。

胆嚢癌

胆嚢癌に対する基本的な治療は外科的切除です。癌の存在部位や進行度に応じて様々な術式が選択されます。しかし、胆嚢癌は高度に進行した状態で診断されることも多いのが現状です。粘膜内に限局する胆嚢癌は腹腔鏡下(開腹)胆嚢摘出術で十分根治可能です。もう少し深いところまで癌が浸潤している場合、拡大胆嚢摘出術といって、胆嚢と胆嚢に近い部分の肝臓を少し切除します。
しかし、胆嚢癌は高度に進行した状態で診断されることも多いのが現状です。進行した胆嚢癌では、肝臓に深く浸潤していたり、胆嚢管や胆管周囲のリンパ節に転移を認めます。その場合、肝臓の1/2~2/3を切除する肝葉切除や胆管切除が施行されます。

2)膵臓手術
2015年の手術件数は43例で、膵頭十二指腸切除術 25例、膵全摘 1例、膵体尾部切除術 14例でした。

膵癌

膵臓は腹部の中で奥深いところにあり、病気が発生しても症状に乏しく、早期発見が難しいため進行癌で見つかることが多いのが実情です。当院では、エコー・CT・MRI・超音波内視鏡検査などを駆使して、積極的に早期発見につとめています。膵癌の特性として、腫瘍の大きさが小さくても、悪性度が高く、また周囲の組織(神経、胆管、リンパ節)に転移・浸潤しやすいため、予後が不良となっています。
膵癌の手術は大きく2つに分けられます。膵頭部癌では膵頭十二指腸切除術、膵体尾部癌では膵体尾部切除が行われます。膵頭十二指腸切除術は膵頭部・十二指腸・空腸の一部・胃の一部・周囲のリンパ節を一塊に切除する手術で、消化管の手術の中でも最も難易度の高い手術のひとつですが、当院ではこのような手術も安全に施行しており、2015年の手術関連死亡は0%です。
また近年の流れでもある縮小手術にも取り組んでおり、悪性度の低い膵腫瘍に対しては、温存手術(膵部分切除、膵分節手術、幽門輪温存膵頭十二指腸切除術)を施行しています。進行膵癌に対しては、手術だけでは限界があるので、放射線療法、化学療法(抗癌剤)などを追加するようにしていますが、長期生存が得られる症例はまだ少ないのが現状です。
しかし最近では、ゲムシタビンという新しい抗癌剤が開発されました。以前のように長期間入院・長時間点滴に拘束されずに、外来で1時間の点滴で治療が行われています。実際、切除不能であった進行膵癌が抗癌剤で著効を示し、手術が可能となった患者さまもおられます。当院ではさまざまな補助療法を組み合わせて、QOLを保てる手術療法を努めています。

・術前放射線化学療法

進行膵癌に対して手術単独の治療では限界があり、症例により放射線療法や化学療法などを追加しています。化学療法の進歩(ゲムシタビン、ティーエスワン、ナブパクリタキセル)により生存期間の延長が見られ、切除不能であった進行膵癌が抗癌剤で著効を示し、手術が可能となった患者さまもおられます。
さらに、近年、術前化学放射線療法(NACRT)により、根治切除が可能になったり、生存期間が延長する例も見られ、消化器内科や放射線科と合同カンファレンスを行い積極的にNACRTを行っております。(図4)

(図4)

また当院の消化器内科は膵、胆道の検査が京都で最も多い施設の1つで、癌化の可能性が高いIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)が発見される例が多く、国際ガイドラインに準じて診断治療を行っています。また、近年内分泌腫瘍(NET)の概念も確立し、膵内分泌腫瘤(P-NET)の手術症例も増えています。

・腹腔鏡下肝切除術

腹腔鏡手術については、膵癌に対する保険適応はありません。しかし低悪制度膵腫瘍に対しては、侵襲が少なく整容性に優れ疼痛が少ない腹腔鏡下手術を積極的に取り入れています。(図5)将来悪性腫瘍に対し保険適応となった際にも対応する予定です。

(図5)

日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医修練施設

日本肝胆膵外科学会は、高難度の手術をより安全かつ確実に行うことができる外科医師を育てることを目的として、肝胆膵外科高度技能専門医制度を立ち上げました。高度技能専門医であることは、高度技能指導医のもと、high volume centerといえる修練施設で経験を積み、認定基準に定められた手術実績数を持つ医師であることを表します。
当院では、高度技能指導医である谷口が肝胆膵外科領域の悪性腫瘍に対して、高難度手術に積極的に取り組んでおり、高度技能専門医を育てるべく指導しております。
日本肝胆膵外科学会の高度技能専門医修練施設に認定されるように、2013年に申請いたしました。認定の基準は「肝臓や膵臓などの難度の高い手術を行うことができる肝胆膵外科学会高度技能指導医が常勤し、かつ肝胆膵外科領域の高難度手術症例を行なっている施設」というものです。京都で高度技能専門医修練施設に認定されているのは、現時点で当院を含め5施設のみです。

高難度肝胆膵外科手術とは

肝胆道手術
  • 肝三区域切除
  • 肝葉切除および拡大肝葉切除
  • 肝中央二区域切除
  • 区域切除;後区域、前区域、内側区域 (外側区域は除く)
  • 亜区域切除(S1,S2,S3,S5,S6,S7,S8,であり、原則として非定型的部分切除は除く)
  • 肝移植レシピエントの移植手術
  • 肝移植ドナーの肝切除
  • 胆管切除を伴う肝切除(ただし、肝葉切除および肝S4a+S5切除以上)
  • 胆嚢胆管切除+胆管消化管吻合(先天性胆道拡張症に対するもののみ)
膵臓手術
  • 膵全摘術(残膵全摘も含む)
  • 膵頭十二指腸切除(幽門輪温存を含む)
  • 膵体尾部切除(膵癌に対するもの)
  • 膵中央切除
  • 十二指腸温存膵頭部切除
  • 膵頭温存十二指腸切除
  • Ventral pancreatectomy
  • 下膵頭切除
  • Beger手術
  • 膵移植レシピエント手術
  • 膵移植ドナーの膵切除
血管合併切除再建
  • 門脈切除再建を伴う肝胆膵領域の手術
  • 肝部下大静脈再建を伴う肝胆膵領域の手術
  • 肝静脈切除再建を伴う肝胆膵領域の手術
  • 上腸間膜動脈切除再建を伴う肝胆膵領域の手術
  • 肝動脈(腹腔動脈系)切除再建を伴う肝胆膵領域の手術

胆石症・胆嚢ポリープ

胆嚢摘出術の年間手術数は約100例。基本的には腹腔鏡下胆嚢摘出術が基本です。お腹に5〜10数mmの孔を4カ所あけて、内視鏡で見ながら胆嚢を摘出します。術後の痛みが少なく、回復が早く、食事も普通に取れるようになります。上腹部手術の既往がある方は開腹手術となっていますが、可能な限り腹腔鏡下胆嚢摘出術を選択しています。

当院ではクリニカル・パスを導入し、通常は術後3日で退院していただいています。手術される方はやはり胆石発作をおこされた方がほとんどです。胆石症は良性疾患ですので、基本的には放って置いて良いのですが、なかには胆石症に胆嚢癌が潜んでいる場合もあり、超音波検査を定期的に受けておかれることをおすすめします。胆嚢ポリープは珍しい病気ではなく、多くの健康成人のかたに認められます。ほとんどは5mm以下の小さいもので、コレステロールポリープであり、放って置いて良いものです。しかし、10mmを超えるものは、なかには癌細胞が潜んでいることもありますので、超音波検査を定期的に受けて、大きくなるようであれば、摘出されることをおすすめします。

鼡径ヘルニアについて

お腹と足のつけ根の間あたりがプクッとふくらんでくる状態を鼡径(そけい)ヘルニアといいます。いわゆる「脱腸」です。

なぜ、鼡径ヘルニアが発生するのか?

鼡径部にもともと血管(男性の場合は精管)の通り道(これを鼡径管といいます)があります。この鼡径管の出口(鼡径輪といいます)がゆるんでくると、お腹の中の小腸が腹圧をかけたときに鼡径管の中に脱出します。これをヘルニア(注1)といいます。腸が鼡径管の中に出るものを内鼡径ヘルニア、鼡径管の裏の腹筋が弱くなってふくらんでくるものを外鼠径ヘルニアと分類しています。また、足の付け根の大腿筋の隙間から腸が脱出するものを大腿ヘルニアといいます。鼡径ヘルニア全体では約70%が男性ですが、大腿ヘルニアのみは女性の比率が高くなっています。

(注1)「ヘルニア」とは英語の"herniation"(=はみ出た状態)の意味で、他にも「椎間板ヘルニア」や「脳ヘルニア」などといったものがあります。

症状と手術をする理由

初期には下腹に力をいれたときにプクッとふくらみ、力を抜くと元に戻るだけですが、何ヶ月も経過すると次第に大きくなってつっぱり感や痛みがでてきます。そのときも多くは横になったり上から押すだけで元に戻ります。一旦ヘルニア状態になってしまうと自然に治るということはありません。また薬で治ることもありません。「ヘルニアバンド」という突出部を押さえる用具がありますが、大きくなってくると押さえきれなくなりますし、これを使用しても残念ながらヘルニアが小さくなることはありません。注意しなければならないのは、たくさんの小腸が鼡径管の中に入り込んで戻らなくなる「嵌頓(かんとん)状態」になる場合があることです。嵌頓した状態が数時間続くと、腸の血流が阻害されて腸が腐り(「壊死」といいます)、その部分を切除しなければならない場合もあります。たかが脱腸で腸まで切る、という事態を予防するのが鼡径ヘルニアの修復手術をする理由です。

鼠径ヘルニア根治術(メッシュプラグ法)

当院では1997年から次に示す手術法(メッシュプラグ法)を採用しており、現在までに8000件以上の手術を行ってきました。
鼡径ヘルニア手術のポイントは、

  • a. 鼡径輪に「フタ」をする
  • b. 弱くなった筋肉を補強する
の2点です。
a."plug(プラグ=栓)"という図上段のようなある素材でつくったものを鼡径輪につめ込んで「フタ」をします。b.さらにこのプラグと同じ素材のメッシュ状の膜で弱くなった筋膜を補強します。
手術時間は通常40〜60分です。麻酔は腰椎麻酔または全身麻酔のいずれかを患者さまの状態によって使い分けています。

腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術

近年は腹腔鏡下にメッシュを腹壁の内側からあてる方法も普及しつつあります(図下段)。全身麻酔が必須となり、手術時間も若干長くなりますが、傷はほとんど目立たず、術後の疼痛が軽減されます。過去に開腹手術歴のない方に適応されます。

クリニカルパスについて

ほとんどの患者さまは、クリニカルパスという当院で作成した治療計画に沿って入院期間を送っていただきます。手術の前日に入院していただき、手術の翌日には歩行できます。特に大きな持病や合併症がない限り手術の2日後に退院となります。

虫垂炎

虫垂はお腹の右下にある虫垂(盲腸のすぐ下)が炎症を起こす疾患です。
胃痛のような症状から徐々に右下に痛みの場所が移動するのが典型的とされています。あまりがまんをして放置すると膿瘍を作ったり、穿孔して腹膜炎になったりするので注意が必要です。
急性期に緊急手術をすることが多いのですが、炎症の程度によっては一旦抗生物質で散らして計画的に手術を行う方法もあります。その場合、患者さまの都合(仕事や学校)にあわせて入院し、虫垂切除を行います。手術前日に入院していただき、術後は2日で退院となります。
開腹手術歴がなければ腹腔鏡下手術を選択することもできます。