診療科・部門のご紹介

診療科・医師のご紹介

呼吸器外科

手術の合理化をはかり縮小手術として胸腔鏡手術を積極的に実施しています。

スタッフ

上島 康生
役職 部長
氏名 上島 康生
卒業年 昭和61年
専門領域 呼吸器外科
認定医・専門等資格名 日本外科学会指導医・専門医、
日本胸部外科学会指導医、
呼吸器外科専門医、
日本呼吸器外科学会評議員、
日本がん治療認定医機構がん治療認定医、
日本呼吸器外科学会 胸腔鏡手術地域インストラクター
コメント 呼吸器外科の手術を担当しています。対象疾患は肺癌、転移性肺腫瘍、気胸、膿胸、炎症性肺疾患、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍、外傷等です。手術は縮小手術から拡大手術までおこなっており、体に影響の少ない胸腔鏡手術も積極的に取り入れています。また、呼吸器内科と密に連携しており、外科的治療と内科的治療を柔軟にうまく組み合わせることが可能なことも良い点だと思います。外来診察日は木曜日です。呼吸器疾患で手術が必要な方、ぜひ御相談下さい。
池部 智之
役職 医師
氏名 池部 智之
卒業年 平成23年

診察担当表

一診 上島
二診 池部

診療実績

主な診療実績(2007年〜2012年)

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疾患名 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
肺癌 49(22) 51(50) 54(42) 46(36) 59(45) 66(49)
転移性肺腫瘍 20(17) 14(14) 7(6) 11(10) 5(4) 14(14)
気胸 14(13) 13(13) 14(12) 19(16) 23(17) 14(14)
縦隔腫瘍 9(3) 6(3) 10(7) 6(5) 9(2) 5(2)
その他 30 21 24 32 26 18
合計 98 105 109 114 122 117

()は胸腔鏡手術数

胸腔鏡手術

胸腔鏡という内視鏡を用いることにより小さな創で手術をおこなう方法です。
当科では1994年に導入して以来徐々に対象疾患を拡げ、呼吸器外科手術の80-90%を胸腔鏡手術で行っています。現在、原発性肺癌、転移性肺腫瘍、気胸、肺嚢胞、縦隔腫瘍等に対して可能であれば胸腔鏡手術をおこなっています。胸腔鏡手術は病院によって方法が異なり、大きく二つに分けられます。一つは内視鏡の画像のみを見て手術を行う方法で完全鏡視下手術といい、本来の胸腔鏡手術といえます。もう一つは小開胸から直接のぞきこんで手術を行い、内視鏡は補助的に使う方法でハイブリッド法といいます。当科では内視鏡画像のみを見て手術を行う完全鏡視下手術の方を行っています。
胸腔鏡手術の利点として術後の痛みが軽い、創が目立たない等があげられます。ただし、胸腔鏡手術が困難な場合もあり、血管の癒着があって出血しやすい場合や進行肺癌に対しては安全性や根治性が落ちることがないように開胸手術を行います。

原発性肺癌の治療

肺癌の最も治癒率の高い治療法は切除であり、完全切除可能であれば切除を基本方針としています。進行肺癌については補助療法をおこない治癒率の向上に努めています。呼吸器外科、呼吸器内科、放射線科、病理診断科でカンファレンスを行って治療方針を検討します。術前術後の治療は化学放射線治療の専門家である呼吸器内科医、放射線治療医が担当します。

手術方法

Ⅰ期の症例:
ほとんどの症例で胸腔鏡手術を行います。また、Ⅰ期の中でも特に早期の肺癌で肺をたくさん切除しなくてもよい場合や肺機能が不十分なために肺を切除する量を少なくしないといけない場合には肺区域切除や肺部分切除という肺をたくさん残せる術式もおこないます。
Ⅱ期、Ⅲ期の症例:
開胸手術が基本ですが、可能であれば呼吸に必要な胸の筋肉を温存する比較的小さな開胸法でおこないます。症例によっては胸腔鏡手術を行うことがあります。局所進行癌に対して胸壁や大血管の合併切除も行っており、必要に応じて心臓血管外科や形成外科などの協力を得ることができます。
治癒率をあげるために補助療法(抗癌剤や放射線治療)を行います。
Ⅲ期のうち完全に切除できない症例や他の内臓に転移があるⅣ期の症例は手術以外の方法で治療することになります。

肺癌手術症例数

当院では年間およそ60例の原発性肺癌手術をおこなっています。

手術成績

当院での手術後の5年生存率は、病理病期ⅠA期86%、ⅠB期71%、Ⅱ期53%、ⅢA期39%です(2005年から2010年の手術症例での検討)。

入院期間

術前検査はできるだけ外来でおこない、入院はできるだけ手術前日としています。クリティカルパスを用いており、10日間の入院期間を設定しています。2012年から2015年7月までの検討では、術後の入院期間は平均11.1日でした(術前から大きな合併症を持っておられた方を除くと9.9日)。

安全性

肺癌手術後の入院中の死亡は最近3年間で1例認め、手術後死亡率は0.5%でした。原因は脳梗塞でした。どうしても合併症(治療を要するような肺からの空気漏れ、不整脈、膿胸、脳梗塞など)が生じることがありますが、できるだけ減らすように努力しています。高齢の方や、肺機能が悪い方には可能であれば胸腔鏡手術、区域切除等の体に対する影響の少ない手術方法を選んでいます。循環器系や神経系の病気をお持ちの方も多いですが、当院にはそれぞれの専門科があり対処しやすいのも良い点と考えています。

気胸の治療

気胸の治療には安静、胸腔ドレナージ、手術、胸膜癒着術などがあります。

安静

軽度の気胸の場合、入院または自宅で安静にしていただくことで治癒することも多いです。

胸腔ドレナージ

胸腔に管(胸腔ドレーン)を入れて空気を外に出すことにより、しぼんだ肺をひろげます。基本的に入院して治療します。肺からの空気もれが自然に止まるのを待ちます。気胸になった原因は残るので、再発がよくあります。

手術

胸腔ドレナージで治癒しない場合や、一度治癒しても再発した場合に行います。最初から手術を選択する場合もあります。

胸膜癒着術

胸腔ドレーンから薬剤を胸腔内に注入することにより、炎症をおこして肺を癒着させて空気もれを止める治療です。手術が不適当な場合に行います。

当院の気胸手術

胸腔鏡手術を基本にしています。気胸の原因となるブラを切除したり、糸でしばります。術後再発は一般的に約10%とされ、当院でも約5%の方に再発を認めました(2008-2013年に手術した症例での検討)。