乳がんの診療は、予防に始まり、早期発見、そして手術、内分泌療法、化学療法、分子標的治療、放射線療法などがあります。また、万が一再発した場合は集学的治療が必要です。当院では、乳腺専門医を中心に安全かつ確実な標準治療を行います。また腫瘍の特性に基づく個別化治療、一人一人の患者様にとって最善の医療を目指しています。
I 診断
1)視触診
2)画像診断 [ マンモグラフィ・超音波・MRI・CT ]
3)病理診断 [ 細胞診・針生検・マンモトーム生検(がん協会へ依頼)・切開生検 ]

II 初期治療
進行度や病状により術前・術後補助療法、手術、放射線治療を治療方針

1)手術
乳房温存手術や胸筋温存乳房切除が主体です。乳房温存療法の適応は、乳癌学会のガイドラインに基づき腫瘍径3cm以下の比較的早期の乳がんを適応とし、厳密な術前診断と詳細な術中病理診断を併用、術後放射線照射を原則としています。腫瘍径3cm以上の患者様でも、希望者には術前化学療法を併用し乳房温存療法を行っています。

手術方法は、下記の術式があります。
a) 乳房温存手術
b) 胸筋温存乳房切除術
c) 胸筋合併乳房切除術
d) 乳房再建術
e) 植皮術
進行癌に対しては胸筋温存乳房切除、胸筋に浸潤が及ぶ場合は胸筋合併切除が適応となります。
2)薬物療法
以下のような薬剤を組み合わせて使用します。
a) 化学療法
エピルビシン、サイクロフォスファミド、5-FU、メソトレキセートドセタキセル、
パクリタキセル、カペシタビン、TS-1、ビノレルビン、CPT-11 など
b)内分泌療法
LH-RHアナログ、タモキシフェン、アナストロゾール、エキゼメスタン
レトロゾール、MPA など
c)分子標的治療
トラツズマブ
点滴による抗がん剤も基本的には外来通院(化学療法室)にて行います。ザンクトガレン・コンセンサス会議やNCCNのガイドラインに準じて薬剤を選択し、CEF療法やタキサン系抗がん剤を中心に行っています。そして分子標的薬剤も適応に応じて使用します。またホルモン感受性症例には内分泌療法として従来の抗エストロゲン剤に加え閉経前の症例にはLH-RHアゴニストなどを 閉経後の症例にはアロマターゼ阻害剤を投与します。

3)放射線治療(放射線科にて施行、併診)
乳房温存術後の残存乳房照射
局所進行癌術後胸壁照射
脳転移、リンパ節転移など再発に対する局所照射 など
III 再発治療
乳癌の全経過中約30%は再発し、一度再発すると残念ながら治癒は殆ど望めません。しかし近年の薬物療法や放射線治療の進歩により再発後長期生存するこが多くなりました。大切なことはホルモン剤や分子標的薬、抗癌剤をタイミングよく使用して、できるだけ日常生活の質を損ねることなく延命を計ることです。そのためにNCCNのガイドラインなどのアルゴリズムを利用し緩和ケアもしっかり行いながら再発治療を行います。
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