診療科・部門のご紹介

コメディカル部門のご紹介

薬剤部

適切な薬物療法を通じ患者さまに安心・安全で質の高い医療を提供します。

薬剤部は薬剤情報課(医薬品情報室)、薬剤管理課、調剤課及び製剤課からなる基本組織と治験管理室が部内に設置されており、40名の薬剤師と事務職員2名、臨時事務職員4名、看護部併任臨時看護師1名が医薬品の調剤、製剤、管理・供給、情報提供及び治験薬管理などの業務を分担し、入院・外来にかかわらず患者さまの安心・安全な薬物療法に寄与しています。医薬品の質の高い正確な調剤等の中央業務のもと、病棟では担当薬剤師を配置し、投薬前の病棟薬剤業務から投薬後の薬剤管理指導業務まで病棟における薬物療法全般にかかわりチーム医療を薬剤師の立場から推進しています。また、薬学部学生実習、糖尿病教室などの教育にも携わるとともに、地域薬剤師会などとの連携も推進しています。当院の薬剤師は、患者さまにとって安心できる適切な医療が行えるよう、専門家として「薬のあるところに薬剤師あり」の心意気を持ち、チーム医療を推進し「医療安全」並びに「医薬品適正使用」をキーワードに積極的に業務を推進しています。

スタッフ

津田 正博
役職 部長
氏名 土谷 有美
卒業年 昭和63年
副部長 1名
課長 5名
係長 6名
薬剤師 27名
主事 2名
臨時主事 4名
臨時看護師(併任) 1名

専門・認定薬剤師等主な資格取得者一覧(令和3年6月1日現在)

学会名 認定名 取得人数
日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師 13
日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師 2
日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師 10
日本医療薬学会 医療薬学指導薬剤師 1
日本医療薬学会 医療薬学専門薬剤師 1
日本医療薬学会 がん指導薬剤師 1
日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師 3
日本病院薬剤師会 感染制御専門薬剤師 1
日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師 2
日本病院薬剤師会 HIV感染症専門薬剤師 1
日本病院薬剤師会 HIV感染症薬物療法認定薬剤師 1
日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師 1
日本化学療法学会 抗菌化学慮法認定薬剤師 1
日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師 3
日本麻酔科学会 周術期管理チーム認定薬剤師 1
日本臨床救急医学会 救急認定薬剤師 1
日本臨床栄養代謝学会 NST専門療法士 4
日本臨床栄養代謝学会 臨床栄養代謝専門療法士(周術期・救急集中) 1
日本薬剤師研修センター 小児薬物療法認定薬剤師 1
日本糖尿病療養指導士認定機構 日本糖尿病療養指導士 2
京都府糖尿病療養指導士認定委員会 京都府糖尿病療養指導士 1
日本腎臓病薬物療法学会 腎臓病薬物療法認定薬剤師 1
日本腎臓病協会 腎臓病療養指導士 2
日本医療情報学会 医療情報技師 1
日本アンチドーピング機構(JADA) スポーツファーマシスト 2
厚生労働省 日本DMAT隊員 1

医療安全

適正な薬物療法、処方せんの点検・調剤・調製した薬の監査、患者さまへの服薬指導、安全な薬の採用、薬のプロフェッショナルとしての医療現場への提案と実践を行っています。また、医薬品安全確保委員会において、院内で用いられるすべての医薬品について、その安全な使用方法や取り扱いを検討しています。積極的な働きかけにより医薬品の事故防止や適正使用に貢献しています。

調剤業務

調剤室では電子カルテシステムにより整備された注射薬自動払出装置をはじめとする「薬剤部門システム」を稼動させ、内服薬・外用剤・注射剤の調剤を行っています。その際には薬剤師の専門性を生かし、処方せん・調剤手順書に基づき適正に調剤するとともに、薬の量・使い方・のみ合わせなどを再確認しています。処方内容に疑問があれば医師へ「問い合わせ」を行い、また処方薬に対し患者さまからご質問があれば誠意をもって対応し、安全で適切なお薬を安心して使用していただけるよう努めています。

製剤業務

一般製剤や製薬会社で製造していない病院独自の製剤(特殊製剤)を医師の依頼に基づいて調製しています。他に薬学的管理の一環としてTPN(完全静脈栄養)の無菌調製を実施しています。

抗がん剤調製業務

抗がん剤を用いた化学療法は、医師、がん化学療法認定看護師らと協力し化学療法のレジメンを検討しています。また実際の調剤では医師により提出された化学療法計画書と処方内容が適切なものか「化学療法支援システム」を用い確認するとともに、化学療法を受けられる患者さまの点滴を安全キャビネットの中で無菌的に調製しています。

薬剤情報業務

医薬品が安心・安全に使用できるよう、医薬品情報の収集や評価を行っています。医師や看護師からの医薬品に関する質問に回答し、院内における医薬品情報誌を発行しています。また、地域医療連携病院として地域の病院の薬剤師・薬局と連携をとり、患者さまを中心とした医薬品情報を相互に提供しています。さらに、医療の場で活躍できる薬剤師を育成するため、教育研修の実施や研究の支援をしています。

薬物血中濃度モニタリング業務

薬物の血中濃度から薬物動態と薬効・副作用の関係を解析し、個々の患者さまにとってオーダーメイドの薬物治療を提案しています。現在は抗菌薬の薬物血中濃度モニタリングを中心に行っています。

手術室サテライト薬局

手術室にサテライト薬局を設置し、日勤帯に薬剤師1名が常駐しています。
手術で使用される麻酔薬や筋弛緩薬などをはじめ、手術室内の全ての医薬品の管理を行っています。
また術後疼痛管理に使用するPCAポンプの無菌調製や、術中に使用された医薬品と処方せんの監査なども行っています。

入退院支援センター業務

入院を予定される患者さんに面談しています。服用されている薬剤の把握だけでなく、アレルギー歴や自宅での薬剤の管理状況など幅広く把握します。センターナースと情報共有を行い、入院中の薬物療法を円滑に行えるようサポートします。病棟薬剤業務の入り口に位置する業務です。

病棟業務

各病棟に1名の担当薬剤師を配置して病棟業務を行っています。入院から退院までの治療経過を観察・確認し、より安全な医療を提供するために、医療チームの一員として薬物治療のサポートを行っています。

入院時における持参薬の継続処方については、不慣れな薬剤の使用による病棟でのインシデントなどを未然に防ぎ、安全かつ有効に使用するために薬剤師が積極的に情報提供を行っています。

また、ベッドサイドでの副作用症状の有無・臨床検査値異常の確認を行い、薬剤の薬効と副作用について薬剤師としての視点から評価を行い、患者さんの病態に合わせて最適な処方提案を積極的に行っています。他にも、病棟における薬剤のインシデントを防ぐために薬の専門家として医療スタッフからの各種問い合わせに対応し、安心安全な薬物治療に貢献しています。

薬剤管理指導業務

入院されている患者さまの薬物療法に関するケアを行います。
入院されましたらベッドサイドで服用歴のみならず、副作用歴、アレルギー歴を聞かせていただきます。

また、単に薬の説明を行うだけでなく、医師・看護師等と連携し、医療チームの一員として入院中に行われる薬物療法について説明し、薬剤師の立場から患者さまに安心して治療を受けていただけるよう、適切な投与方法などを提案いたします。

治験業務

「次世代により優れた新薬を誕生させる」その開発に協力することは医療機関の大切な役割の一つです。当院では、治験管理室を設け、GCPを遵守した臨床試験を積極的に実施しています。治験管理室には治験審査委員会事務局を設置しており、また、治験内容について遠慮なく相談していただけるよう治験コーディネーターを配置しています。参加される患者さまのプライバシーなどに十分配慮し、安全性を確保しながら、より信頼性の高い治験データーを得るため、治験担当医師をはじめ他部署と緊密に連絡をとりながら、適切な治験が実施できるよう日々努めています。

治験管理室のページはこちら

専門薬剤師の育成

昨今、深い専門知識と技術を必要とする分野が増加してきており、当院でもがん薬物療法認定薬剤師や感染制御認定薬剤師、緩和薬物療法認定薬剤師、栄養サポートチーム(NST)専門療法士がそれぞれの分野で医療チームの一員として活躍しています。また、妊婦、授乳婦薬物療法認定薬剤師、糖尿病療養指導士など専門認定薬剤師の養成を進めており、当院の医療に貢献しています。
なお、当院は薬学生実務実習受入施設であり、日病薬認定指導薬剤師を配置し将来の薬剤師の育成に協力しています。

新人教育カリキュラム

  • 4月~6月の3ヶ月を重点教育期間と位置づけています。 

    この時期の指導には、就職3年~5年の若手薬剤師数名があたります(チューター制)。年の近い薬剤師が指導することにより、職場に慣れてもらいたいと考えています。薬剤部で行う調剤(内服薬・注射薬)を習得します。

  • 7月以降は、各部署の選任担当者が鑑査・中心静脈栄養剤の調製・抗がん剤の調製などを指導します。
  • 12月ぐらいから、病棟業務を行います。
  • 約1年かけて薬剤部業務を一通りできるように指導しています。

令和2年度の業務実績(臨床指標)

院外処方発行率 94.2%
持参薬鑑別件数 11790
抗がん薬無菌調製処理料 9731
高カロリー等無菌製剤処理料 2051
薬剤管理指導実施率 72.1%
薬剤管理指導件数 17757
退院時薬剤情報管理指導料 3519

学会発表等(令和元年度)

1)著書
当院血液内科でテイコプラニン高用量負荷投与レジメンを用いた初期投与についての検討
日本赤十字社京都第一赤十字病院医学雑誌Vol.2 No.1 2019

2)学会・研究会発表
2019/10/17
入退院支援センター薬剤師から病棟薬剤師へ継続した抗血栓薬管理について 第55回日本赤十字社医学会総会

2019/11/3
AST担当薬剤師と病棟担当薬剤師のAS活動における連携 第29回日本医療薬学会年会

2019/11/4
高度腎機能低下患者に対するVCM投与の検討 第29回日本医療薬学会年会

2019/11/27
TDFからTAFへの変更48週後、96週後の腎関連検査値、脂質系検査値についての検討 第33回日本エイズ学会学術集会・総会

2020/2/16
当院救急外来における医薬品の適正使用に向けた取り組み 第41回日本病院薬剤師会近畿学術大会

2020/2/27
急性期脳卒中センターにおける簡易懸濁業務の改善 第35回日本臨床栄養代謝学会学術集会

2020/3/21
好中球減少の遷延でG-CSF製剤の投与期間が長くなる患者背景因子の検討 日本臨床腫瘍薬学会学術大会2020

2019/11/17
自動注射払出装置更新に伴う効果について 第50回日赤臨床薬学研修会

2019/12/14
大腸がん化学療法時の過敏症反応予防に関する研究 近畿ブロック Oncology Pharmacist Community Forum 2019

後発医薬品の採用状況について

厚生労働省では、後発医薬品の信頼性を高め医療関係者及び患者さんが安心して後発医薬品を使用できるように推進を図っています。
本院では、後発医薬品の採用一覧をホームページに公開することにより、後発医薬品の普及促進に積極的に取り組んでいます。

採用後発医薬品リストはこちら

保険薬局のみなさまへ

院外処方箋における残薬調整簡素化について

謹啓、時下ますますご清栄のことと存じます。また平素は京都第一赤十字病院の院外処方箋を応需いただき誠にありがとうございます。
平成30年6月25日より、院外処方箋における「残薬調整」を簡素化するプロトコルを実施することにいたしました。プロトコルに基づく残薬調整に、ご理解いただける保険薬局様との間には合意書を交わさせていただきます。
残薬調整簡素化プロトコルについての詳細は、薬剤部医薬品情報管理室までご連絡いただきましたらご案内させていただきます。また、プロトコルに基づく残薬調整時には、「服薬情報等提供料に係る服薬情報提供書」をご利用いただきますようお願い致します。

服薬情報提供書はこちら

当院のFAX番号入りの吸入評価指導表も準備しております。ご活用ください。

トレーシングレポート(吸入指導評価表)

抗がん薬フォローアップシートの活用について

より質の高い外来がん薬物療法の実施を目指し、抗がん剤に関して、服薬状況や副作用の発現状況を当院と保険薬局とで情報を共有し、副作用の早期発現や重篤化防止に繋げるための取り組みとして「京都府薬剤師会」の「様式③-1 フォローアップシート 抗がん薬」を導入致します。

京都府薬剤師会ホームページ

当院で処方頻度の多いCapox療法のフォローアップシート作成例を下記に記載します。

トレーシングレポート;Capox療法

このようにレジメンに合わせカスタマイズして使用してください。
皆様のご理解、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

レンビマ®テレフォンフォローアップ 導入について

拝啓、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
近年外来がん診療において、経口抗がん薬を処方される機会が増加していますが、その治療を安心・安全に継続するためには病院と保険薬局が連携した副作用マネジメントを行うことが重要です。
今回、マルチキナーゼ阻害薬であるレンバチニブ(レンビマ®)を処方された肝細胞癌患者様に対して保険薬局の先生方に服薬状況の確認や副作用の早期発見・重症化回避を目的とした電話連絡(テレフォンフォローアップ)を実施していただき、得られた情報を当院と共有する取り組みを開始したいと存じます。
ご協力賜りますようお願い致します。